幻想ウエディング~人魚姫には王子様の甘いキスを~
「君は!?蒼斗の奥さんの桜さん?どうして此処に居るの?」

槇村先生は部屋に戻った。

「お帰りなさい。槇村先生」

「今日から彼女の世話役になりました…」
「世話役!?」

「ウーロン茶、淹れますね」
「ありがとう」

槇村先生は白衣姿のまま、目の前に椅子に腰を下ろした。

「テレビ観ました?」

「テレビ?いや…観てない…」

「槇村先生のスマホは?」
「取り上げられてないよ…」

「どうぞ」

 桜華さんが槇村先生にもウーロン茶を供した。

「ありがとう、桜華さん」

「君こそ、どうして此処に居るの?此処は夢街だよ。一旦足を踏み入れたら、容易には出られないぞ」

「槇村先生こそ…」

「俺は桜華さんの赤ちゃんを取り上げる使命がある」

「東亜にだって大勢…」

「そうなんだけど…彼女を放ってはおけない」

槇村先生は桜華さんを見た。

「…お二人共ゴメンなさい。剣吾さんがお二人を脅して夢街に連れて来たんですよね…」

「桜華…さん!?」

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