幻想ウエディング~人魚姫には王子様の甘いキスを~
119通報して、緊急要請をした後、立ち往生する車を追い越して、夢街に入っていった。

「これ以上車では進めません…紡様」

「分かった…」

俺達は車を捨てて、火に包まれた街の中心に聳えるタワーマンションを目指す。

炎から逃れるように多くの人達が逃げて来る。

逃げ惑う人達の波に逆らいながら、駆け抜けていった。

辺りに漂うガス臭い匂い。

「ガスに引火して、二次爆発する可能性ありますね…」

「そうだな…」

「ボス、大変です!!」

俺をボスと間違え、「王龍」の構成員が話し掛けて来た。

俺も賀集さんの振りをした。

「一体何があった?」

「暴動が起きました…一人が持っていた手りゅう弾を爆発させて…」

「・・・手りゅう弾の爆発か…プロパンガスか何かに引火して、大爆発を起こしたんだな…」

「どうしますか?これ以上行くのは危険ですよ…」

「此処まで来て…二人を…」

「ボスも早く逃げてください…」

「俺は事態の収拾に当たる…」



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