幻想ウエディング~人魚姫には王子様の甘いキスを~
私は持っていた拳銃を槇村先生に渡した。

そして、窓の外に向かって発砲した。

一発、二発、三発と目の前の硝子に蜘蛛の巣状のヒビをいれていった。

そして、壁に立てかけていたバールを振り下ろして、硝子を割った。



「!!?」

突然、駆動音を響かせて、割れた硝子の空洞からドローンが侵入して来た。

「ドローンだ…」

ドローンにはカメラと無線機が搭載されていた。
カメラが私達の居る方向に向いた。
ーーーー聞こえるか?奏弥

「この声はツムツム…ツムツムのドローンなの…」
声の主の男性は槇村先生に知り合いようだった。

――――なんだ…桜さんも居るのか…いいか?下層階はもう火の海だ…上に逃げろっ…屋上はヘリポートになっている…俺の仲間がヘリを着陸させる…そのヘリに乗って逃げるんだ…桐生会長から貰った見取り図によれば、一番端のエレベーターが高層階専用のエレベーターだそれに乗れば…安全だ。いいなっ、奏弥

「分かった…」

――――時間がない!!急げっ!!






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