幻想ウエディング~人魚姫には王子様の甘いキスを~
「逃げるよ…桜華さん、夏目さん」

「でも・・・」
「車椅子で行けるところまで行って…後は俺が抱き上げる…桜華さん」

「槇村先生…」

「・・・君は俺の死んだ母に似てるんだ。こんなところで死なせるワケには行かない…俺が君と赤ちゃんを助ける…だから…残るなんて言わないで…桜華さん」

「・・・ありがとう御座います…」

「じゃ行くよ…」

槇村先生は先に廊下に出て外の様子を確かめた。

「出て来ていいよ…」

先生の合図で私が桜華さんの車椅子を押して廊下に出た。
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