幻想ウエディング~人魚姫には王子様の甘いキスを~
夕映えの湾岸線を走る車。
私は運転する蒼斗さんに話し掛けた。

「蒼斗さんはどうするんですか?」

「んっ?あ・・・俺の返事はもう決まっている」

「えっ?」

「俺は『BP』を退職する。独身だからこそ、今まで自由に出来た。でも、俺には桜と言う家族が出来て、守るべき者が出来た。俺の命は自分だけモノじゃない。桜のモノでもある」

「蒼斗…さん!?それで本当にいいんですか?」

「今まで…あんなに『BP』に執着していたのにな・・・おかしな話だ…紡さん達には悪いと思うけど…辞めても、彼らの協力者ではありたい」

「協力者ですか…でも、無茶はしないでくださいね」

「あぁ」

「貴方は私の大切な王子様ですから…」

「君は俺の大切な姫様だ…無茶はしないと約束する」

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