幻想ウエディング~人魚姫には王子様の甘いキスを~
「リーダー?渡瀬さんと玉城さんは・・・」
「あれこれ二年かな?」
「知りませんでした・・・」
俺は猿芝居して、驚いた表情を浮かべた。
「おはようございます」
玉城さんは喫煙室の前を通ると俺達に挨拶した。
「おはようございます・・・玉城さん」
俺は煙草を備えおきの灰皿に捨てて、玉城さんの元に歩み寄った。
「鈴木さんも煙草吸うんですね・・・」
「はい、煙草を吸う男が嫌いですか?」
「え・・・あ・・・いえ・・・」
玉城さんは白い頬を赤くしてそれ以上は何も言わず、更衣室に行ってしまった。
不倫しながらもピュアな反応を見せる玉城さん。
そうやって、蠱惑的に男を惹くのが彼女の常套手段だと思った。