幻想ウエディング~人魚姫には王子様の甘いキスを~

「どうしたの?」

彼は至近で私を見つめる。口許を耳許に寄せられると彼の吐息が耳朶を掠めた。
彼の思わせぶりな言葉に心が揺れていた。

でも、これだけ格差があると逆に夢だと割り切れる。
彼は私に本気じゃない。
私も彼に抱きついた。

王子様と甘いキスは交わしたけど、その先はなかった。
彼の夜色の瞳が近づき、そっと唇にキスを落とされる。
柔らかな彼の唇の感触。

私も積極的に彼の唇を貪り、自ら口を開き、口内への侵入を許した。
静寂に響くキスの音。カラダが甘美な悦を求めて疼く。

キスに戯れ、そのままその場のフローリングに倒された。背中越しに感じるフローリングの冷たさがキモチ良く感じた。
カラダに帯びていく熱に魘され、そのまま彼の腕に堕ちてしまった・・・


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