幻想ウエディング~人魚姫には王子様の甘いキスを~
「桜も夜の街で働いていた人間だ。
『王龍』の存在を知ってるか?」

「え、あ・・・まぁ」

「そっか・・・」

「私の居た店でも、「夢街」の方が稼げると言って、辞めた子が居るわ」

「ふうん。で、その辞めた女の子はその後会った?」

「ううん」

桜は首を横に振った。

「そう・・・」

「噂だけど・・・その子はジャンキーになって、自殺にしたと訊いたわ」

薬漬けにされて、殺されたのか・・・

俺はそう解釈した。

「夢街」は女が生きていくには過酷な街だと言っていた。
「王龍」は女でも容赦がない


「・・・寒くなって来たし、中に入ろうか?桜」

「あ、うん」

俺は妊娠した彼女を気遣い、部屋の中に戻った。

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