幻想ウエディング～人魚姫には王子様の甘いキスを～
着替えを済ませた俺は桜を連れ、マンションの階下にあるコンビニに出かけた。

俺と彼女が自動ドアを潜ると浅黒い肌の外国人の若い男が片言の日本語で、レジに立つ若い男性を脅していた。

「カ、カネをだ、だせっ！！」

「桜お前は店を出ろっ」
俺は桜の耳元で囁く。

「はい・・・」

桜は恐怖で足をもつれさせながらも、外へと出た。
男は俺達の存在に気づき、フォールディングナイフの切っ先を俺に向けた。


「お前にやる金なんてないぞ。俺がお前の相手してやるから来いよ！！」

俺はワザと男は挑発して、彼の気をレジから逸らした。

男は窃盗に慣れていない輩だと見て取れた。

夢街に近い場所。
ベイランド全体の治安も俺の知らない間に悪くなっていた。

俺はワザとカラダをよろめかせ、体勢を崩した。男はその隙を狙い、ナイフを振り下ろす。
俺は彼の空いた左手掴んで、投げた飛ばした。

彼の長身のカラダは床に叩きつけられた。男が痛みに呻く間に俺はナイフを取り上げた。

俺が本気を出して相手する相手でもなく、難なく、駆け付けた警官に連行されて行った。



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