幻想ウエディング~人魚姫には王子様の甘いキスを~
それを知りながらも、剣吾さんは黙認し、一人で兄の妻子の行方を捜した。
それがボスである柊紘人(ヒイラギヒロト)にバレ、メンバーの前で賀集さんは責められた。

「黙認していた私も同罪です。ボス」

黙り込む賀集さんを剣吾さんは庇った。

「・・・ブラッドお前は『BP』の掟を忘れてはいないよな。
どのような場合でも、敵に屈してはいけない鉄の掟を」

「ボス・・・誘拐された娘の歩ちゃんはまだ四歳ですよ。
奥さんの香さんだって・・・」

「よせっ。エリート」

「しかし・・・ブラッド・・・」

「・・・俺の考えが甘かった。香もこの俺の仕事をよく理解していた・・・」

「では、「王龍」の情報をこっちにも寄越せっ。分かったな。ブラッド」

「ボス!!?ブラッドに二重スパイになれと言うんですか?
それでは・・・二人の身の安全は・・・余計に危険度が増します」

「・・・ここでブラッドを殺してもいいのか?エリート」
「それは・・・」


ボスは上着の中に忍ばせたホルスターから銃を抜いた。

「分かった・・・」

「兄さん・・・」

「此処ではブラッドだろ?エリート」

「・・・」


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