幻想ウエディング~人魚姫には王子様の甘いキスを~
「すいません…店長」
「いやいいんだ・・・君が幸せになれば、俺はいい・・・こうして、君の巣立ちを見送るのも俺の仕事だからね・・・」
「お邪魔しますよ。河合さん」
銀色に髪を染めた男性が事務所を訪ねて来た。
彼は歌舞伎町では有名なスカウトマン・鳴滝翔(ナルタキショウ)さん
長身で黒服の似合う青い瞳の美丈夫。歳は二十台後半。
彼の青い瞳を見ていると王子様のコトを思い出す。
鳴滝さんは河合さんとは同じホストクラブの在籍し、ナンバーワンとして、ついこの間まで君臨していた。
でも、彼はフリーのスカウトマンに転身。
ホストで培った会話術で、次々女の子をスカウト。
でも、河合さん曰く、今の鳴滝さんは非常に危険なスカウトマンだと言っていた。
彼はスカウトした女の子たちを夢街に送り込んで、荒稼ぎしているから。
彼のせいで、私が慕っていた先輩のヘルス嬢の真央さんは・・・