幻想ウエディング~人魚姫には王子様の甘いキスを~

「知り合い?」

彼は神妙に呟き、私の方へと近づく。

「・・・まぁ、私もこの界隈の情報屋をしているもので、もしかすれば、以前貴方にお会いしたコトあるかもしれませんね」

「情報屋・・・?」
あの時の感じでは刑事だと思っていたけど、本業は違うのか・・・


「で、貴方は何処の店で働いているのですか?」

「あ…「ピンクエンジェル」です」

「あ・・・あそこですか・・・」

抑揚のない声音に違和感を感じながらも、容姿は王子様にそっくり。

「・・・私はこの街ではブルーと言う名前で活動しています。
貴方の源氏名を教えてください。
何かお金になる情報があれば、高額で買い取りさせていただきますよ」

「たまみです。
本名は玉城・・いえ、な、夏目桜です」
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