幻想ウエディング~人魚姫には王子様の甘いキスを~
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無事に戸籍を取得し、入籍を果たして、母子手帳も手に入れて、その足で蒼斗さんと二人で『東亜医科大付属病院』の産婦人科外来を受診。

自分たちの順番を待合で待っていた。

「混んでるな・・・」

蒼斗さんは足を組み換え、うんざりしたように呟く。

「時間かかりそうですね」

「蒼斗!」

誰かが蒼斗さんの名を呼んだ。

「あ・・・湊か・・・」

蒼斗さんの言っていた従弟の諏訪部湊(スワベミナト)さんが白衣姿のまま私達に会いに来た。

「診察か終わったのか?」

「まだだ」

蒼斗さんは強く返す。

「何だ?その退屈そうな顔は・・・」

「・・・別に」

湊さんと蒼斗さんは同い年で、彼は昨年同じ病院の医師として勤務する年上の女性と結婚。

「子供は蒼斗達に先越されたな」

「・・・そうだな」

「じゃあな。蒼斗。今度の週末・・・蓮宅でな」

「あぁ」

湊さんは足早に会話を遮り、待合を去った。


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