幻想ウエディング～人魚姫には王子様の甘いキスを～

「週末、何かあるんですか？」

「ん、あ…そう言えば、お前に話してなかったな・・・」

「えっ？」

「蓮たち主催で、俺と桜の結婚パーティーしてくれるらしいよ。
俺の仕事上、挙式披露宴はしない予定だから。
今度の週末が桜のお披露目場所になる。まぁ、身内でも気を遣う連中は居ないし。
安心して」

「・・・早く言って下さいよ。蒼斗さん」

「わりぃな」

「・・・服装は何を着ればいいですか？」

「あ・・・服装？適当の後で、デパート行って買ってやるよ。今夜の服と一緒に」

「今夜？」

「今夜は俺の父さんと母さん、姉さん夫妻の｢ドラゴンホテル・東京ベイ」でフレンチディナーだ。
妊娠してる割には桜、悪阻ないみたいだし。
体調は大丈夫だろ？」

「あ・・・まぁ・・・」

もう少し体調が悪くなると思ったけど、妊娠しても意外と調子が良かった。
妊娠特有の症状のなさに自分は普通のカラダではない自覚が半減した。