元姫は辛くても笑う
「裏切る理由なんて……見当たんないもん。私、いつの間にか真美をいじめてなたの?ううん、私はそんなことしな……!」
莉子がいい終わろうとする前に、俺は行動を起こした。
無意識のうちに、
自分でも何やってるかがわかんない。
俺が追い出したくせに、何やってんだか。
「今の話は……言い訳か?」
なんて言いながら、莉子に抱きつくなんて俺はとうとう頭がおかしくなったようだ。
自己中すぎんだろ。突き放すだけ突き放して、好きだからって抱きついて……。
裏切ったからって……莉子を好きって気持ちは全く消えない。
「……ゆう、ひ?」
凄く驚いている莉子。
でも、そんなの一瞬で、すぐにいつも通りに戻る。そして、俺に抱きつく。
………、こんな事されると期待をしてしまう。
自分でいい方に持っていこうとする。
莉子は裏切ってなんてなくて、莉子は、、俺のことが好きで……なんて良い妄想をしてしまう。
「祐飛、気づつかないで。祐飛は、龍火守ったんだから。」
暖かい声色で言う莉子。
そんなこと言って、きっと、莉子は傷ついている。きっと、なんでも我慢するんだ。
無実なんじゃないの?白じゃねぇの?って思ってるのに助けてあげたりしない。
……莉子を守れてないじゃんかよ。
少しすると、俺の気分が落ち着いたのか、自ら手を離した。
「私の事、学校で内緒にしててね。祐飛も隠してるでしょ?」
「わかった……でも、許してねぇから。」
思ってもないことを口にする。
そしたら、莉子は悲しげに笑った。
ちょっと撫でれば泣いてしまいそう。
龍火なんて、責任なんてなかったら、2人で逃げれたのかな……無理だろうけど。
非現実だ。
疑いが晴れた訳でもないのに、こんなふうに思ってるからな。
俺引きづりまくってるな………。
「うん、じゃあね、祐飛。」
「何で帰したんだよ……」
本当に中途半端だな俺。