元姫は辛くても笑う
「何」
「さっきも言っただろ龍火の……」
「無理、断固拒否」
「ちぇー!なんでだよ〜」
そんなのみんなと違うって理由で入れられたくないし
「みんながなりたがる地位だよ?」
地位、ね……。
少なくとも私は欲しいとは思えない。
むしろ、売り飛ばしたくて仕方がない。
「じゃあ、私以外の人にしたら?」
「いや、お前がいい。」
『お前がいい。大丈夫だから、な?』
っ……。
「そうです。君じゃなきゃダメです。」
「っ………私は、」
5人の視線が一気に私に向く。
私を必要としてくれる人なんていないのに……。
「私は、あんたら以外じゃなきゃ無理。」
「えー、酷い〜!」
「事実。」
「なんでそこまで……」
なんでって……。
「じゃあ私以外の人にあげれば?少なくとも私よりは喜ぶんじゃない?」
「だから、言ってんだろ。お前じゃなきゃ無理」
「は?……だ、大体無口…嫌がってるでしょ?」
そこにいる……私を睨んでる人は私の事多分嫌いだと思う。
じゃなきゃそんな目しないもん……。
「?」
「ちょ、えw…待って………無口?」
「クスッ、莉子、僕らの名前覚えてる?」
な、名前……だいたい覚えて………ないけど。
って、今日の昨日でさすがに覚えらんないよ。