元姫は辛くても笑う
「こんばんは。お兄さん達何してるんですか?」
明るめのトーンで、声をかける。
5対1?……あ、カツアゲかなんかな?
卑怯だね。
こういうの今増えてるのかな?
「あ!?見てわかんだろ。カツアゲだ!」
「……いや、ここ紅雅の制圧下じゃないんですか?」
まだ、穏やかに聞くと、ハッと笑う。
すると、後ろの4人も笑い出す。
…何が面白いのやら………
「紅雅はもう居ねぇよ。3年程顔を出していねぇ。てめぇ、紅雅みたいな服装してやがるな。これ以上文句言うようなら、殺すぞ。」
へぇー、5人で1人をボコってるような奴らに私が殺されると?
まず、紅雅みたい、じゃないから。
「お兄さん、これわかる?」
そういい、桜氷の時に見せた方と反対側の耳を見せた。それは、赤い月のピアス。
これをつけているのは私を含めて6人だけ。
桜氷のは私しか持ってない。
だから、ここいらじゃ有名な訳。
「っ!?はぁ?!こ、こ、紅雅!!?」
「あ、正解。何年も野放しにしててごめんね。こんなのがいっぱい住みついたか〜」
私がいうと、ビビり出した。
ちょっと、後ろに下がってる。
そこまで、私怖い?笑っちゃいそう。
1人ボコボコにされてる人は少し驚いてる。
あれ?なんか見た事あるな……気のせいか
「おい!てめぇら!!集まって来い!!」
リーダー的な男が大きな声で掛け声を出す。あー、ここを私がいない間、制圧してたのかな?
集まってきたのは、5、6、7……わぁ。まぁまぁ人数いるね。全員で20人程度。