元姫は辛くても笑う
「ありがとう、香澄」
「いいよ。今まで色々してくれたお礼。」
面と向かってお礼を言われると少し照れる。恥ずかしい………
今多分私の顔赤いと思う。
「照れてる?!」
「こんなことで?」
「可愛い〜」
3人に冷やかされてる。
……恥ずかしいって言ってんのに、、、すごくジロジロ見てくる。
少しするといつの間にか髪は直っている。
さすが、手先器用香澄。
ヘアアレンジまでしてくれてる。
「お前、髪いじれんのに料理は出来ねぇよな〜」
「プレーンのクッキーチョコみたいな見た目になったよな〜あ、焦げただけか(笑)」
「……俺しらね〜」
これやらかしたんじゃない?
武尊は言われる前にサッと逃げて私の後ろに隠れた。
「莉子。」
すると、香澄は身をプルプルさせながら私の名前を呼んだ。
私からは香澄の背中しか見えない。けど、律と健の反応からして………、
「律と健殺っちゃっていい?」
殺っ……え?
香澄が振り返ると、顔が見えた。
その顔はまさに鬼の形相。
アハハ、これは相当怒ってるな………。
香澄の反応に、律と健はうるうると助けて、っと言う顔をする。
可愛いけど………、でも、
「今のは2人が悪い」
「莉子の薄情者!」
「裏切り者!!」