元姫は辛くても笑う

あ、これは2人の遺言だね。
手を合わせて無事を一応祈る。
無事では無いと思うけど………。


「律と健おつかれだな。」


その、武尊の言葉に、私は苦笑いをうかべる。

なんだっけ………
今の香澄達、某猫とネズミのアニメ状態。
名前忘れたけど。

そんな面白いことをしている間に授業が始まるチャイムがなった。
慌てて座る。
周りを見渡すけど、やっぱり龍火は来なかった。


午前の授業が終わり、お昼休みになった。
ご飯を食べ終わり片付けていると、


コンコンコンっ


扉のノック音が聞こえた。
音の方を見てみると、


「如月さん、ちょっと来てくれる?」


そこに居たのはA組の栞(しおり)ちゃんと、そのお友達。私は、ほんの少し、栞ちゃんが苦手………。だけど、


「わかった。」

「え、莉子いくの?」


みんなが心配そうに見てくれている。
そうだよね。私も少し怖い。
栞ちゃんはよく、私の悪口を言っている。
わざとじゃないとは思うけど、全部聞こえるてるし………。


「大丈夫すぐ戻るから!!」

「……」

「なんにもないでしょ?」


渋々、納得してくれた。
確かに怖いけど、何もされてないのに決めつけられるの………私だったらとても嫌だし。


「どうして私を呼んだの?」

「……大事な話があるの。誰にも聞かれたくないから少し離れたところに行こ?」


話したいこと……
面と向かって話すことなんて、初めてかもしれない。私、栞ちゃんに何かしたかな?

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