元姫は辛くても笑う

side 光希

莉子が追い出されて、3ヶ月が経った。
なんで皆、莉子が裏切ったなんて思ってんだよ。
あれだけ、好きだって言ってたじゃないか。
それから、何事にも気力が無くなった。

気づいたら傷つくから。なんて、自分が裏切り者扱いされてたのに、どうして、俺らのことなんて心配するんだろう。
莉子はこの世の誰よりも優しいと思う。


「ねぇ、光希言う気にならないわけ?」

「……」

「なんでそんなに莉子の肩を持つの?」


肩持ってるわけじゃないし、
誰が、言うものか。
てめぇらに言っても信じないじゃないか。

屋上の隅っこに座っている。


「何不貞腐れてんの?謎」


毎度毎度、話しかけてくる様にイラつく。
こんなにこいつらが馬鹿だとは思わなかったからな。


「放っておいてやれ」


祐飛が言う。
それに紗由が、頬を膨らませる。


「なんなの……みんなノリ悪………」


紗由が、ノリ悪いと言おうとした時、


ゾクリッ


背筋が凍った。
なんだ……?今の。
何かわからないけどすごく恐ろしい気配。


「妃菜。」

「志優も?……今の、」

「「莉子だ。」」


俺らの下ら辺で、クラスの転校生が、言った。
え……今のが莉子………?そんなはず……
今だって……物凄い気配を感じたんだか?

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