元姫は辛くても笑う

side 祐飛

紅月の舞と炎がどこかに去った後、莉子がなんなのか気になって、探しに行った。

探してる最中も、下川はずっと引っ付いてくる。
気分悪い………。
なんか変な香水の匂いするし。


「とりあえず、教室見に行こ。」


光希が言い出す。
……なんか、今日めっちゃやる気。
莉子が裏切ってから、ずっと、機嫌が悪かったから。




下川は無言で俺にしがみつく。
キモイな。

ガラッ!

教室の扉を開ける。
すると、何人かがこっちを見る。


「あ、莉子おかえ……」


こっちを見ずに喋り出す女。
でも、律に、肩をゆらされ俺の方を見る。

一瞬驚いた顔をしてイラッとする。


「何?なんの用?莉子いじめ?お生憎今は居ないよ。」


嫌味ったらしく言う。
……誰こいつ…
あ、最近莉子と仲良くしてる奴か…‪…。


「じゃ、どこにいんだ?」

「莉子、どこ?」


光希と俺が聞く。


「総長裏切り者って言ったんじゃないですか?」


武尊がキツめに言う。
今龍火は半分に別れている。
片方は俺達と一緒の莉子が裏切ったと思ってる派。
片方の武尊や律は裏切ってないと思ってる派。
……莉子が裏切る前はこんな風になってなかったのにな。


「裏切ったのはアイツだ。下川をいじめた。」

「な、んで……香澄ちゃんそんなこと言うの?」

「……わ、ない……」


小さい声で言う女。
プルプルと震えながら……


「莉子が裏切るわけないじゃん!!!何言ってんの黒崎くん。」

「ちょ、香澄……」

「うるさい!いい?黒崎くん!莉子がそんなことするはずないでしょ!!」
< 122 / 122 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:18

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop