元姫は辛くても笑う


昨日は散々だったな………。
拉致られるし………。
ちょっと昼寝するか……。
……眠い………。


「あ、莉子!!……話聞いてくれる?」

「うん、いいよ香澄(かすみ)」


香澄は私のクラスの子。
結構仲のいい友達。


「………でね、彼氏がお前なんかいらないって。」

「そんなことないよ。香澄はとっても大事。」


半泣きの香澄を見ながら言う。
こんないい子をいらないって……。


「彼氏さんね、香澄がいると、とても楽しそう。今はきっと、少しゴテゴテのある時だけど……、香澄も彼氏さんもお互いを思いあってるから、大丈夫だよ。」

「莉子〜」


なんかあったら直しに行ってあげると付け足す。
と冗談半分で言う。


「莉子、ほんとにありがとう。仲直りしてくる。」

「うん、いってらっしゃい!!」


この1年で私は人との関わりが沢山増えた。
この学校はクラス替えがないためずっと一緒。
ちなみにクラスの決め方は財力や容姿とかで決める。
適当な感じするよね。

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