元姫は辛くても笑う

っ………。
自然とよみがえる記憶。
あんな辛い思いを……。
信じていた人に急に…………、
あんな言葉を吐き捨てられる気持ち。


「先輩なんで、そんなこと言うんですか?」

「は?いや、あいつが……」

「はっ?そっちが……」

「どんな事があっても、そんな言葉………」


あの時の私はそれだけで壊れた。
心はもうズタボロに……、辛かった。


「使って……いいんですか?」


ピリッ


「「「っ……」」」


先輩達の顔が一瞬だけ、歪んだ。
後ずさる先輩に距離を詰めていく。

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