元姫は辛くても笑う
「燐月(りんげつ)ってこんなに脆いものなんですか?」
ゴクリと、先輩が息を飲むのがわかった。
それを知ってながら続ける。
「もう一度考えてくださいね。そのままでいいのか。ただの誤解だけで大変なことになりますよ。」
そう言って、私は音楽室から出た。
「ふぅ……」
あんな、小さなことで壊れてしまう。
そんなわけないなんて、もう思えなくなった。
大切なものが、私の中から消えていった。
大事あんなにすぐに壊れてしまうなんて。
「…どこに行こう………」
思いつく場所……旧校舎かな。
静かだし。……寝れるかな。
そう思い足を進めた時、
ピンポンパンポーン
『莉子、さっきのところ来い』
……これって、先輩の声?
ん………行った方がいいよね。
さっき言いすぎたしついでに謝っておこうかな。
自分に重ねて他人の領域に入りすぎた。
ガラッ……
「……」
「あ、莉子来た〜」
「ほんとだ。遅いぞ〜」