元姫は辛くても笑う

そこに居たのは、楽しそうに話している先輩。
いつも通りの、燐月があった。
その、先輩達の笑顔を見て笑顔が零れた。


「莉子、実は……誤解だった。」

「うん。だと思いました。」


私が、そう声をかけると嬉しそうち笑う先輩。
葉月先輩も嬉しそう。


「燐月は中学の時からずっと仲良かったですもんね。……よかった。安心しました。」

「そうか………、え?」

「中学、の、時から………?」


あっ…………。
何自分で言っちゃってんの…………。
自分で呆れるよ、ほんとに。


「莉子……?、どういうこと?」


何を言っているの?と聞いているような顔。
…………。自分で踏んだ地雷だからな…。
言うしかないよね…、多分。


「は、い……実は私、皐月(さつき)中にいました」


皐月中、それは日本一強い中学。
そこらへんのゴロツキなら軽く倒せる。
そんなヤツらの集まり。
中には、燐月みたいに、暴走族を作る人も。

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