元姫は辛くても笑う


教室


「あっ……莉子戻ってる!!」


こっちを見て、大きな声を出す紗由。
…………似ている。やだなもう……。
なんで、今日は思い出すんだろ。
さっき話したからかな……?


「どこいってたんだ?呼び出されたけど。」

「……」

「莉子?」


祐飛に呼ばれ、パッと反応する。
ぼーっとしていたので少し驚く。


「えっ?あ、何??」

「?……なんかあったのか?」


なんだろ、調子回るな……。
おかしいな………。
いつもの私ならこんなことにならないのに。


「何もないよ。」


いつもと変わらない笑顔を作って言葉をかける。
……眠いぃ…………。
すると、いつの間にかこくり、こくりと頭が落ちそうになる。……やばい………。

ブーッ、ブーッ……

スマホがバイブに揺れる。
危ない危ない…寝るとこだった
それに反応して、携帯の顔面を見る。


「……」


画面を目にして、体が固まる。
……最悪なタイミングだな…………。


「ごめん、ちょっと電話」

「あ、うん!行ってらっしゃ〜い」

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