元姫は辛くても笑う

「遅いぞ、如月。」

「……すみません。」

「お前、一応学年1位なんだからな自覚しろ。」


い、一応って酷い………。
普通に1位だから。
まぁ、小さい時から、勉強してたし……。


「で、どこいってたんだ?」


黒笑を浮かべる先生に、怖くなる。
ほんとに……桜氷の私でもビビるんだから。
これ、寝てたって言ったら殺されるヤツ。


「えっと……ちょっとそこまで?」

「ト○ロのメイちゃんとかいらない。」

「よくわかったね。先生」


冗談を言うと、みんなが笑い出す。
酷い……。


「でも、どうせ寝てたんだろ……。」

「さすが眠り姫〜」


?……ね、眠り姫?
ちょ、ちょっとよくわかんないな……。


「んじゃ、早く座れ!」

「はーい。」


私が座ったのと同時に、先生が授業を始める。
……眠いな〜。瞼がどんどん下がってくる。


キーンコーンカーンコーン


あ、危ないギリギリ寝なかった……。
疲れた……、耳で聞いてただけだったけど。

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