元姫は辛くても笑う

「そういうことで!おやすみなさーい。」


そう言うと、机に伏せる。
目を閉じると嫌なことばかり考える。
……最悪。自分で地雷踏んでるし…。
でも少しすると、本気で眠かったので夢の中に入っていった。

キーンコーンカーンコーン

起きたのは、6限目終了のチャイム音。
目を開けるけど、まだボーッとしてる。
そんな私は手を引かれどこかへ連行される。
……まだ、HR残ってるのに。

あ、屋上か……。

ガチャッ

……眩し………。
まだ3時だから、殆ど太陽は上にいる。


「で、どうしたの?」

「なぁ、さっきの話ほんとか?」


あ、さっきの数学の時間の時の話かな?
……そんなしょうもない嘘ついてもなんの利益にもならないって………。


「うん。ほんと。」

「………ならさ、」


龍火のメンバーが目線を合わせアイコンタクトをとる。
……え、何?


「紅月(こうづき)って、知ってるか?」


ドクンッ、
眠かった頭が、その言葉でパッと起きる。
………今、なんて、言った?
聞き違いだと思いたくなる。


「厳密に言うと紅雅(こうが)と雷(らい)」


紅雅……雷………。
あの時のことが鮮明に思い出される。
……っ。

< 49 / 122 >

この作品をシェア

pagetop