元姫は辛くても笑う

side光希


あの頃はまだ女が嫌いじゃなかったんだ。
俺には中学生の時彼女がいた。

と言っても、ずっと片想いしてた。
とか、両思いだったなんて話じゃない。

当時はそういうことに興味がなかった。

でも、ある日クラスの女の子が告白してきた。
当然断った。当たり前だ。
好きでもないこと付き合う訳がなかった。

でも、彼女は毎日俺に思いを告げてきた。


「光希、相手してやれば?」

「俺は紫音みたいに軽くしたくない。」


紫音は優しいから断れない性格。
そのため彼女が何人もいた。

今は確か………4人?

と、まぁ、凄い奴。色んな意味で。


「案外、あの子いい子かもよ?」

「いい子………」


そう言われて、気になった。
それから彼女をよく見るようになった。

花壇に水をやってた。
綺麗だな………、。

見てるうちにそう思ってくるようになった。、

ボーッとみてると目が合った。
すると、彼女が笑う。

思わず可愛いと思った。

その日もまた告白をしてきた。

でも、その日はいつもと違う返答を返した。


「毎日言ってるけど……付き合って下さい」


顔を真っ赤にして伝えてくる。

初めてそれにドキッとした。

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