元姫は辛くても笑う
「莉子は?」
私に光希の優しい瞳が向けられる。
その瞳に、言ってしまいたくなった。
信じて全部言いたくなった。
そして口を開く………
「光希………私実は、」
ガチャっ
「あ、莉子達って、何いちゃついてんの?」
紗由が入ってくる。
………あ、ぶなかった。
言っちゃいかけた………。
「膝枕とか………いいな……。」
え、膝枕って、芝生のところに座って、光希がもたれかかっってるだけだけど?
?を浮かべてると、
「ま、莉子鈍感だし、光希にその気ないし。」
少し余裕のある笑みを浮かべてる。
………なにがあった?
「その気あるから。」
「はあ?!」
え、何?その気って?謎なんだけど……?
1人だけが話について来れてない。
置いてけぼり………。
「なんで、莉子はしゅんってしてんの?」
光希が上目遣いになってる。
なにこれ可愛い……。
紗由とは違う可愛さだな………。
「ちょっ!キャラぱくんな!!」
紗由のいつもの可愛い口調が変わった。
あれ?なんで、紗由は来たの?
「紗由どうしてきたの?」
「あ、そろそろ行こって、倉庫に」
いつもの笑顔に戻った紗由が言う。
その顔を可愛いと思ってみてると、光希が私の肩に頭を乗せる。
「莉子連れてって〜」
「え、ちょ、光希の方が大っきいでしょ!」
笑いながら言うと、紗由がむぅーとほっぺを膨らます。
でも、それには深い意味は無いと思っていた。
まさか、嫉妬されてるなんて思わなかった。