元姫は辛くても笑う

…………。そんな、はずない。
だって、今まで紅月は音沙汰なしだった。
まさか、その間ずっと?ずっと探してたの?

心が揺れる。
話している男が、なんだ?という顔をしている。
っ………危ない危ない。


「じゃあ。」


去るように見せて、その男に軽く蹴りを入れる。
軽くしたつもりだったけどその男は弱くて一撃で気絶した。
なんだよ、思ってたよりも雑魚。

でも、そんなことより気になることを聞いた。
探してたなんて、気にしてくれてたなんて。。。
私は思いもしなかった。


ガチャっ!


「……」


家の中に入りベットに倒れ込む。
いつもなら、もう少し暴れ回るけど、今日はそうはいかなかった。


「(さがしてる………か)」


なら、どうして………、
──────どうして私を追い出したの?

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