元姫は辛くても笑う
「久しぶり。妃菜、志優。」
ニッコリと、今までと変わらない笑みを浮かべる。
「うん、久しぶり………」
「久しぶり………」
誰も喋らなくなる。
だから、とても静か。
………、
「ごめん!!」
「え?」
唐突の誤りの言葉に驚く。
「莉子がやった訳ないって……分かってたのに………。」
「最後まで信じることが出来ずに…ごめん。」
「もういいよ。」
笑顔で受け答える。
けど、ちゃんと作れているか不安になる。
今だって、手の震えを止めるので精一杯だ。
「真実を知ったのが、莉子が居なくなった直後だったの。」
「俺たちは築くのが遅くなった。」
「もう、大丈夫。」
2人は私の顔を見て目を見開いている。
あれ?どうして、、、?
笑顔でできてるでしょ?
壁に貼ってある鏡に目を移す。
全然笑えてない。むしろ悲しそうな顔をしてる。
「莉子………。」
私はそのまま続ける。