元姫は辛くても笑う

「ごめん。私は今は戻れない。」

「「?」」

「今はね龍火にいるの。」



そう言うと、目を開けることが出来ないほど大きくした2人。
そういう反応すると思ってた。


「姫としてなんだけどね。」

「姫!?紅雅が?」

「勿体ないな。」


も、勿体ない?
まぁ、確かに一緒にたたかえないし。
立場上守られる側だし。


「私、龍火が今の居場所なの。」


そう言うと2人はしゅんとした。
それにワタワタとする。


「ち、違くて……もちろん紅月も大切。けどね………」


冷たく当たっていたのに何度も何度も、私が大切だって伝えてくれた。
そんな人たちと一緒にいたらどうしようもなく……みんなが大切だと思うようになってきた。
大事な存在になっていたの。


「私が苦しんでた時に手を差し伸べてくれた。そんな大切な人達なの。」

「………そっか。」


少し悲しそうな顔をする妃菜。
その横で、


「何言ってんの妃菜。今は無理なだけだろ」

「「え?」」


あっけらかんに言う志優にびっくりする。
どれだけ、前向きなの………。

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