元姫は辛くても笑う
side 妃菜
「なんか、莉子楽しそうだね。」
「あぁ。莉子を助けてくれたことは龍火に感謝だな。」
………、楽しそうに教室を出ていく莉子を見つめる。
志優も同じこと思ってるだろうな。
莉子と会ったのは6歳の頃。
その前から莉子は紅月の副総長の雷と仲が良かった。
莉子は親が財閥だったけど、全くそれを鼻にかけたことは無かった。
むしろ明るくて誰とでも仲良くなれるそんな人。
だから、誰からも好かれてたの。
紅月に私たちが入ったのは小学6年生の頃。
まだその頃は喧嘩なんて出来なかった。
私は、ね。
莉子と雷は出来たの。
その1年後、莉子は最年少で紅月の総長になったの。
紅月は12年前からずっとNo.1をキープしていたの。
莉子は喧嘩も強いけど、頭も良くてそれに人脈も凄かった。
莉子以外の私を含む゙5゙人は中学2年生から幹部に入った。
初めて会った日からずっと一緒にいたの。
2年前までは………
「゙あの゙傷まだ残ってるよね……」
「当たり前だろ。」
「うん……わかってたけど………あぁ!絶対トラウマだよね!……どつしてあんなことしてしまったんだろ……」