元姫は辛くても笑う
「も、う……私に近づかないで。」
涙目で言う真美。
……、なんでみんな嘘泣きかまうまいんだろう。
私は素直に頷く。
「分かった。」
そう言うと、なぜか、真美は目を見開く。
どうしてか気になったけど、この空気で聞くほどバカじゃない。
その思いは、閉じ込める。
「祐飛達、私はなら、どうすればいい?」
「……いじめたって認めるんだな?」
そんな訳ないそんなことしない。
だけど、、、
「大丈夫。信じて貰えないんだってわかるから。……経験上ね。」
こうなれば、誰も何も信じなくなる。
真美が何を言ったのかは分からないけど、みんな、信じる気がなくなってるのはわかる。
「なら、話早いな。」
「うん、どうするの?」
信じていたものが一気に壊れるのは辛い。
でも、祐飛たちも辛いはず。
祐飛達もきっと……私のことを信じてくれていた。だから同じ気持ちだと思う。
泣きそうになるのを抑えて笑顔を作る。、……笑顔、作れてないかもね。
「っ……り、龍火を降りろ。」
一瞬言葉が詰まったよう。
顔を歪ませる祐飛。
うん、、、降ろされるって分かってた。
けど、辛いな……。
「そっか……分かった。みんなバイバイ。」
涙が零れそうになるのを手で押えて、階下に降りる階段に向かう。が、、、
パシッ!
誰かに腕を掴まれる。