元姫は辛くても笑う

「大丈夫……目は乾いただけだから………」

「良かった……」

「なにかあったらって、心配で……」


心配そうに眉を下げている健。
優しいな……。


「でも、龍火追い出されちゃった。」

「「は?」」


目をまん丸にする2人。そうだよね。
ずっと一緒にいたのに、、急に変だよね。


「なん、で?」

「……莉子、何かしたの?」


少し静かになる。
クラスのみんなも私たちの会話に耳を向けている。
……、ちゃんと言わないとダメだよね。


「……なんか、私が真美をいじめたから、です。」


シーンっ


「「「「「は?」」」」」

「え?」


みんなが、大きな声を揃えて出すからびっくりする。
首を斜めにする。


「えっと……どういう反応?」

「は?だって、普通に考えろよ。莉子あんだけ下川と仲が良かったのにするわけねぇじゃんけ。」

「下川が1年の時女子にいじめられてたの助けたの莉子だし。」

「そうだよ。まず、莉子には人をいじめるような考えがないでしょ。」


律と健を始め、男子も女子も言い始める。
みんな……、また泣きそうになる。


「みんな……大好き………。」


再び涙が零れる。
そんな私を2人はぎゅっと抱きしめる。

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