元姫は辛くても笑う

「ま、聞いただけだけど。大丈夫俺らは誰もあ〜んな噂を信じてないから。」

「え?」

「あのさぁ、莉子を見ててそんな話をされても信憑性薄いんだよね。みんな、ただの噂だと思ってるから。」


先輩………まって、みんな?
みんなって…みんな??
驚きすぎて語彙力なくなってきた……。

何かわからずアワアワとする。


「あ、みんなってね。3年みんなってこと。」

「3年の先輩みんなってことですか??」

「実はね………、」


葉月先輩がなにか言おうとした時、
誰かが、私の方を後ろから叩いた。
パッと後ろを見ると


「よっ!莉子。」

「よぅ!って……大貴兄?!」

「は?大地?……迷子か?中学はあっちだぞ?」


後ろには大地君と綾人くんがいた。
大貴先輩は大地君の4つ離れたお兄さん。

横に並んでると、本当にそっくり……。


「そうだ!莉子龍火追い出されたんだと?」

「殴り込みに来た。」


そういいゴキゴキと手を鳴らす2人……
って怖いよ!!
しかも、まさかの中学校にまで噂が広まるって……
誰だろ…光の速さで広めてる人は………。


「莉子を追い出すなんてふざけてる。さすがに殺らないけど……1発は殴らせろ。」

「でも、大貴兄たちも関わってるなら、兄弟でも殴るぞ。」


少し殺気をだし、威嚇をする大地君。
それに対して普通にしている十夜先輩達。
なんだか余裕がある感じだな……。

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