恋のルーレット
でも翌朝、もう別の女の子と廊下で楽しそうに話しているのを見た。

何だ。やっぱり世良エイジってこういう人だったんだ。

最初から気分で女の子をとっかえひっかえする男だ。

この男の本質はちょっとやそっとじゃ変わらないんだ。



ムカつく。



女の子と笑ってるエイジの顔を殴ってやりたくなるのを我慢して、私は早足でその前を通り過ぎて角を曲がった。


はあー。


背中をぺたんと壁にくっつけた。


何なの、あれ?


昨日までマリィ、マリィ言ってベタベタして来たくせに。

最悪。

キーンコーンカーンコーン。
始業のベルが鳴った。

次、音楽だったっけ。
もう忘れて、今までのことはなかったことにして

ーー行こう。

私は階段を下りようとした。
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