恋のルーレット
エイジに連れられて体育館倉庫に来た。
マットをソファー代わりにして、そこへ二人で腰を下ろした。
「私の事を束縛しないで欲しい」
「それはもうしない」
「第一ボタンだけじゃ嫌だ」
「第二もいいよ」
「第三は?」
「それはやりすぎ」
「確かに」
「ね、マリィはさ」
エイジがごろんとマットの上に寝転がって言った。
「何で俺が告白したと思ってんの?」
「ルーレットで決まった相手だから」
「違うよ」
「じゃあ、あみだくじ?」
「それも違う」
「じゃあ、なんなの?」
「みんなと違ったからだよ」
私ってすごく平凡な女だと思ってたけど、違った?
「どっか冷めてて、なのに諦めてない感じがいいよ」
「なんかよく分かんないけど」
「俺はすっかり色々諦めてた人間だけど、マリィは世界を諦めてないでしょ?」
世界ってまた大きな話になるんだな。
私、そんな世界の事とか考えてないつもりだったんだけど。
エイジにはそう見えた?
「俺がチャラチャラしてんの面白がって、呆れてる奴らはいくらでもいたけど、怒ってたのはマリィだけだ」
「怒られたかったの?」
「そうかも」
と、エイジは起き上がって私の目をまじまじと見ると
「マリィは俺を見放さないで」
子供みたいな事を言った。
エイジは親からあまり構って貰えなかったのを、見放されたと思ってたのかな。
きっと、離婚してエイジのお母さんも大変だったと思うよ。
お父さんだって、好きでエイジから離れて暮らしてるんじゃないと思うよ。
けど、寂しかったんだろうな。
「ね、エイジ」
「ん?」
「エイジが間違ったことしたら、私がちゃんと怒ってあげる」
私はエイジの肩に寄りかかってそう呟いた。
「頼んだよ。俺はたまに間違うから」
とエイジは私を抱き寄せた。
エイジの体があつい。
私はもっとあついかも。
しばらく抱き合っていると、エイジは言った。
「種付けしていい?」
「は、はひ?!」
さっそく間違ってるって!
「作ろう俺たちの子供」
「無理!無理!」
私はエイジから離れた。
まだ高校生なんだから子供なんて無理!
「俺、早く家族が欲しい」
「欲しくても今じゃない!」
「いつならいい?」
「大人になってから!今は無理!」
「分かった。じゃあ種付けしないからヤらせて」
真剣な顔で言われても、私は全く心の準備が出来てないんですが。
て言うか、世良エイジは自分から体の関係を求めて来ないんじゃなかったの?
「いいよね」
私が硬直しているとエイジはオッケーだと思ったのか、私のブラウスのボタンを取り始めた。
「ちょっと待った!」
「待てない」
キーンコーンカーンコーン。
丁度、終業のベルが鳴った。
ふぅ、助かった……。
マットをソファー代わりにして、そこへ二人で腰を下ろした。
「私の事を束縛しないで欲しい」
「それはもうしない」
「第一ボタンだけじゃ嫌だ」
「第二もいいよ」
「第三は?」
「それはやりすぎ」
「確かに」
「ね、マリィはさ」
エイジがごろんとマットの上に寝転がって言った。
「何で俺が告白したと思ってんの?」
「ルーレットで決まった相手だから」
「違うよ」
「じゃあ、あみだくじ?」
「それも違う」
「じゃあ、なんなの?」
「みんなと違ったからだよ」
私ってすごく平凡な女だと思ってたけど、違った?
「どっか冷めてて、なのに諦めてない感じがいいよ」
「なんかよく分かんないけど」
「俺はすっかり色々諦めてた人間だけど、マリィは世界を諦めてないでしょ?」
世界ってまた大きな話になるんだな。
私、そんな世界の事とか考えてないつもりだったんだけど。
エイジにはそう見えた?
「俺がチャラチャラしてんの面白がって、呆れてる奴らはいくらでもいたけど、怒ってたのはマリィだけだ」
「怒られたかったの?」
「そうかも」
と、エイジは起き上がって私の目をまじまじと見ると
「マリィは俺を見放さないで」
子供みたいな事を言った。
エイジは親からあまり構って貰えなかったのを、見放されたと思ってたのかな。
きっと、離婚してエイジのお母さんも大変だったと思うよ。
お父さんだって、好きでエイジから離れて暮らしてるんじゃないと思うよ。
けど、寂しかったんだろうな。
「ね、エイジ」
「ん?」
「エイジが間違ったことしたら、私がちゃんと怒ってあげる」
私はエイジの肩に寄りかかってそう呟いた。
「頼んだよ。俺はたまに間違うから」
とエイジは私を抱き寄せた。
エイジの体があつい。
私はもっとあついかも。
しばらく抱き合っていると、エイジは言った。
「種付けしていい?」
「は、はひ?!」
さっそく間違ってるって!
「作ろう俺たちの子供」
「無理!無理!」
私はエイジから離れた。
まだ高校生なんだから子供なんて無理!
「俺、早く家族が欲しい」
「欲しくても今じゃない!」
「いつならいい?」
「大人になってから!今は無理!」
「分かった。じゃあ種付けしないからヤらせて」
真剣な顔で言われても、私は全く心の準備が出来てないんですが。
て言うか、世良エイジは自分から体の関係を求めて来ないんじゃなかったの?
「いいよね」
私が硬直しているとエイジはオッケーだと思ったのか、私のブラウスのボタンを取り始めた。
「ちょっと待った!」
「待てない」
キーンコーンカーンコーン。
丁度、終業のベルが鳴った。
ふぅ、助かった……。