恋のルーレット
「付き合って」


教室で堂々と周りの目なんて見えてないのか?と言うくらいにストレートに言われた。


廊下に呼び出されるって聞いてたからびっくりした。


クラスの女子も口をあんぐり開けて私とエイジを交互に見ている。



「次はあの子?!」


ざわざわ聞こえてくる。

普通の感覚を持っていたら、彼の顔に騙されることなく断る。

毎週、女の子を取り替えるような奴なんて無理。

私は喜ばしい事に普通の感覚を持っていた。

だから堂々と彼の目を見て、

「ごめん。私あなたとは……」


付き合えない。と言い終わる前に


「俺のこと振ったら殺すから」


にっこり笑って言われた。

「は、はひ?!」


「だから、付き合わないなら殺す」


困惑した。こんな殺害予告のような告白ありなのか?

少女マンガでは絶対に聞かないセリフ。
なんなの、この人?

放心状態になっている私に彼は続けた。
「だから、付き合うって事でいいよね」


だから、だからって。さっきから使い方間違ってるし。ちゃんとした理由になってないし。


「いやいや、待ってよ!私は!」


「それじゃ、放課後ね。一緒に帰ろう」



そう言って去って行った。

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