恋のルーレット
【ねえ出して、許してよ】
暗闇の中、スマホを手繰り寄せて私はエイジにメッセージを送った。
もう二時間は人体模型くんとデートしている。そろそろこの不気味なデートは終わりにしたい。
ピコーン。
返事はすぐに返ってきた。ということは私をここに閉じ込めたことを忘れてないってことなんだと少しホッとする。
【だーめっ】
返事はそれだけだった。
はい?!
このままここで人体模型くんと添い寝して一晩開かすなんて絶対嫌だ。
私は必死の形相でエイジにメッセージを送る。
【もう他の男子と話さないから!絶対に!】
【ほんとかな】
【ほんとだよ。だから鍵開けてよ】
【しょーがないなー】
ガチャリ。