冷徹御曹司と甘い夜を重ねたら、淫らに染め上げられました
カップルプランにこんな特典はなかったはずだから知らなかった。けれど、私のために用意してくれたのかと思うと嬉しくて自然と笑みがこぼれる。

「それでも嬉しい。ありがとうございます」

誕生日のサービスデザートが見てみたかったなんて言ったけど、私のこと考えてくれてたって……そう思っていいのかな?

都合よく考えちゃうよ……安西部長。

早速ケーキを口に運ぶと柔らかでほどよい甘さの生クリームが口いっぱいに広がる。

「美味しい! 少しいかがですか?」

「俺はいい、あーんはもうごめんだからな」

車の中であーんで食べた飴がよっぽど恥ずかしかったのか、安西部長は思い出したように小さく照れ笑いした。

「それにしても、私の誕生日が今日だってどうしてわかったんですか?」

「昨日、俺の車の中で財布ぶちまけたときにお前の運転免許見ただろ?」

ああ、なるほどそれで生年月日がわかったのね。

「誕生日よりも、饅頭みたいにむくんだお前の顔のほうがインパクトでかかったけどな」

なーっ!? ああ、やっぱり……うぅ、ショック。

更新日前日の夜に飲み過ぎたことをいまさら後悔する。後々、安西部長に見られるなんて誰が予想できただろうか。
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