冷徹御曹司と甘い夜を重ねたら、淫らに染め上げられました
「お前がオフィスに残ってひとりで仕事してるのは知ってたし、さっきエントランスで柊を見かけたから、きっとオフィスで修羅場になってるんじゃないかと思ってたが……見物がてら覗きに行けばよかったな」
「もう、見世物じゃないんですよ? それに安西部長はこんな時間まで仕事ですか?」
「ああ、思いのほか打ち合わせが長引いてな、おかげでこっちはニコチン切れだ」
他愛のない会話をしていたら、先ほどまでのささくれ立った気持ちもいつの間にか落ち着きを取り戻していた。
苦手な上司なはずなのに……。
「ちゃんと喫煙所あるじゃないですか、どうしてわざわざここに来るんですか?」
「喫煙所は煙草臭ぇだろ」
自分はよくて他人の匂いは嫌だなんて、なんて勝手な理由なんだろう。けれど安西部長から微かに香る煙草の匂いは嫌いじゃない。大人の男を思わせるような、雄のフェロモンを漂わせるような不思議な匂いだ。
「もう、見世物じゃないんですよ? それに安西部長はこんな時間まで仕事ですか?」
「ああ、思いのほか打ち合わせが長引いてな、おかげでこっちはニコチン切れだ」
他愛のない会話をしていたら、先ほどまでのささくれ立った気持ちもいつの間にか落ち着きを取り戻していた。
苦手な上司なはずなのに……。
「ちゃんと喫煙所あるじゃないですか、どうしてわざわざここに来るんですか?」
「喫煙所は煙草臭ぇだろ」
自分はよくて他人の匂いは嫌だなんて、なんて勝手な理由なんだろう。けれど安西部長から微かに香る煙草の匂いは嫌いじゃない。大人の男を思わせるような、雄のフェロモンを漂わせるような不思議な匂いだ。