冷徹御曹司と甘い夜を重ねたら、淫らに染め上げられました
二泊三日という短い期間で、こんなにも心を鷲掴みにされた女は初めてだった。

彼女が入社してから初めは上司としての庇護欲、責任……なんて恰好つけていたが、大倉の笑顔に忘れかけていた人を好きになるという感情を思い出し、佐々岡が大倉に触れているのを見ただけではらわたが煮えくり返りそうになった。

そしてまだ柊のことを忘れられずにいるのなら、俺が全部忘れさせてやる。なんて自分でも知らなかった一面に、いい年して馬鹿みたいに独占欲の強い勝手な男だったんだな……。と改めて思わされた。

小さな手を握った瞬間、抱きしめた瞬間、そしてキスをした瞬間……彼女は、俺のすべてを魅了した。気づかないふりをしていたが、柊と付き合う前からきっと……俺の中にはすでに彼女がいたんだ――。
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