冷徹御曹司と甘い夜を重ねたら、淫らに染め上げられました
それにしても結構広いホテルだよね、さっきも少し迷いそうになっちゃったし……。今度こそ目的の物を買ってすぐに部屋に戻らないと遊びに来てんじゃないんだぞって怒られちゃう。

同じフロアに自販機がないかウロウロと廊下を歩いていると、遠目に男性と女性がイチャイチャしながら部屋に入って行く姿を見かけた。よく見ると……。

あれは……佐々岡さん?

どうやら向こうは私には気づいていないようで、佐々岡さんの手はちゃっかり女性のお尻をいやらしい手つきで触っている。

仕事で来てるって言ってたけど、もしかして女連れ? 今、お尻触ってたよね? 偵察にしては社員同士じゃないような……。

カップルを装って偵察に来ているのなら話は分かるけれど、どことなく彼らからそれ以上の雰囲気が漂っている。そして、佐々岡さんとその女性が消えた部屋の前をドキドキしながら通り過ぎようとしたとき。

え? 今、なんか声が……?

佐々岡さんの部屋から、微かに女性の甘い声が聞こえて私は思わず立ち止まった。

「あっ、佐々岡さん、こんな場所で……んっ」

「ベッドまで待ちきれなくてさ」

「あんっ、ここじゃ誰かに声聞かれちゃう」

部屋のドアのすぐ裏で何が行われているのか想像がついて、カッと顔が真っ赤になる。

「平気だよ。あんまり客がいなかっただろ? ここのフロアだって、きっと貸し切りだよ。誰にも聞かれないって」

なっ……! 
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