冷徹御曹司と甘い夜を重ねたら、淫らに染め上げられました
「そんなぁ……ホテル近隣の施設やレジャースポットのPRも取り入れないとだめだって言ったの安西部長じゃないですか、こういうのも実際見ておいたほうがいいですよ、きっと」

「ったく、子どもにせがまれてる父親みたいな気分だな。……考えておく」

安西部長は気乗りしない顔でプリントアウトした書類に目を通している。

こ、子どもにせがまれてるって、もう! そんなんじゃないのに……。

また子ども扱いされてムッとしていると、安西部長がようやく顔をあげて腕時計を見た。

「まだ夕食までには時間があるな。駅前の商店街にでも行ってみるか」

「わかりました」

花火大会、安西部長が行かないならひとりで行ってこようかな。いい仕事しなきゃ、何事も前向きにね。

私は商店街に出かけるべく、バッグを手に取った。
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