冷徹御曹司と甘い夜を重ねたら、淫らに染め上げられました
安西部長のギクリとしたリアクションを期待していたのに、なんとも意外な答えが返ってきて逆に私のほうが面食らってしまった。

普段は仕事の虫のような人だし、残業だって日常茶飯事。週末はなにをしているかわからないけれど安西部長に彼女なんて……嘘でしょ!?

「ああ、いるさ、“仕事”っていう最愛の恋人だ」

「……へ?」

どこの誰と付き合っているのか、この際だから根掘り葉掘り聞いてやる!なんて思ってたけれど仕事が恋人だなんて、やっぱり安西部長らしい。そう思うとおかしくて人知れず頬を緩ませた。

「強がり言っちゃって……」

「あん? 今なんか言ったか?」

「い、いいえ! なにも言ってないです!」

ジロッと鋭く睨まれて、私は慌ててほかの話題に切り替えようと首を振った。

「ここの商店街は有名なんですか? 結構、人が多いですね」

「普段はここまでじゃないが、花火大会で人が集まってるんだろ」

「近隣の観光スポットとしてホテルのPRにもなりますね」

駅近くの商店街へ行くと店が立ち並び、外国人観光客の姿も見受けられた。お土産を探しながら定番の温泉まんじゅうや磯揚げなどの名物を食べ歩きして楽しめそうだ。
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