あの日見た、花を灯して君へ
「ーーもう一度、まつりと花火行きたかった。
見たかった花火。

まつり、最期の花火になるかもだけど一緒に見たいな」


これはーーーーあの日をもう一度
やり直すでいいのかな?



だけど、音はもう帰って来ない。



「嫌だ。















今、目の前にいる音は生きてる。





ちゃんと生きてる!!








最期なんて言わないでよ!




来年も、再来年も花火見たい言ったじゃん。




あれは、嘘!?



今ならまだ、間に合うから。





戻ってきてーーーー音!!」





わたしは音にしがみついた。



ほら、生きてる。


あなたは生きてる。



ちゃんと体温だってある。


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