あの日見た、花を灯して君へ
花火の音、花火の光。

それがより一層強くなってーーーー
笑ってる音が不意に歪んだ。


頰に流れる涙にーーーー。


「ーーーーおかしいな。
笑えない。
ホント、音がずっと好きだよ」



音が泣いてる。



「音、泣かないで!
わたしーーわたしね!」



わたしは、音に手を伸ばした。




音が、、消えちゃう。








ドンッ!!














より一層強く鳴った花火の音と、光と同時にーー



一つの光となって、音が消えた。




跡形も無く、目の前から居なくなった。






「音ーー?


あれ?



音、どこ?


音!!


なんで?



わたしーー、音が居なきゃダメなのに」




周りが、わたしを遠巻きに見てる。
分かる、分かるよ。




< 25 / 32 >

この作品をシェア

pagetop