あの日見た、花を灯して君へ
花火会場で、泣いてるわたしを
きっと変な目で見てるに違いない。


アスファルトに、数滴ーー零した涙。






「大丈夫ーー?

泣いてるの?」






えっーーー?




顔をあげたら、同じくらいの男の子。



「あ、わたしーー。」


なんて、言えばいいのか分からず。
立ち往生。


わたしの視界から消えた音の代わりに、、

見知らぬ彼はいた。


「とりあえず、落ち着こうか?」




優しいーー。



まるでーー音みたい。


路上に不意にあるベンチ。


知らない彼と、隣合わせ。
変に意識するわたしに差し出されたジュース。



「悲しいことあった?」



知らない彼。


だからかな。



「ーー彼氏が、長岡花火の日に事故で居なくなって。一緒に見たいなって。

あの日見た、花を見せてあげたかった。


あの日見た花火を、今見てたのにーー
消えちゃってーー、バカですよ。

忘れなきゃなのに。。」


忘れなきゃいけないーーー。


いつか、過去になる。


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